『Bloodborne(ブラッドボーン)』を象徴するシステムのひとつが「ヤーナムステップ」です。
この独特な回避モーションは、従来のフロム作品のローリングとは大きく異なり、プレイヤーに「攻めの戦闘」を強く意識させるものです。
本記事では、ヤーナムステップの由来や基本性能、ダークソウルとの違い、そしてリゲインシステムとの相性まで徹底的に解説します。
さらに、他シリーズやホラーゲームへの影響、初心者がつまずきやすいポイント、上級者が実践するテクニックまでカバー。
これからブラッドボーンを始める方も、すでに挑戦中の狩人も必見の内容です。
読み終える頃には、きっとあなたもヤーナムステップを使いこなし、ブラッドボーンの夜をより深く楽しめるようになるでしょう。
ヤーナムステップとは?ブラッドボーンにおける特徴的な回避行動
『Bloodborne(ブラッドボーン)』をプレイしていると、まず最初に驚かされるのが「ヤーナムステップ」と呼ばれる独特の回避行動です。
これは、従来のフロム作品の「ローリング」とは一味違う、鋭くてスピーディな動きとして多くのプレイヤーを魅了しています。
ここでは、その起源と仕組みについてわかりやすく解説していきます。
名前の由来と「ヤーナム市街」との関係
「ヤーナムステップ」という呼び名は、ゲームの舞台である「ヤーナム市街」から来ています。
主人公自体はヤーナム出身ではないのですが、作中で「ヤーナム野郎!」と罵られる場面があるため、そこから自然と「ヤーナムの狩人が踏むステップ」として定着したと言われています。
つまり、正式名称ではなくファンコミュニティが生んだ俗称なんですね。
ローリングとの違いは?ダークソウルとの比較
『DARK SOULS』シリーズでは、回避といえば「ローリング」が基本でした。
しかし、『Bloodborne』では敵をロックオンしている状態で回避すると、ローリングが「ステップ」に変化します。
この違いを表でまとめると以下のようになります。
要素 | ダークソウル(ローリング) | ブラッドボーン(ヤーナムステップ) |
---|---|---|
動きの特徴 | やや大振りで距離を稼げる | 素早く鋭い動きで距離を微調整できる |
戦闘テンポ | やや重厚で慎重な戦闘 | スピーディで攻め主体の戦闘 |
使用感 | 盾との組み合わせで守りも可能 | 回避と攻めをセットで考える必要がある |
こうして比較すると、ヤーナムステップがいかに攻撃と回避を両立させるアグレッシブな設計なのかが分かります。
ヤーナムステップの性能と戦闘への影響
ヤーナムステップは単なる回避手段ではありません。
無敵時間の存在や、ゲーム全体のシステムと組み合わさることで、戦闘スタイルそのものを大きく変える要素となっています。
ここからは、具体的にどのような性能があり、戦闘にどのような影響を与えるのかを掘り下げていきましょう。
無敵時間とリゲインシステムの相性
ヤーナムステップは発生直後に無敵時間(いわゆる「iフレーム」)が存在します。
これにより、敵の攻撃をギリギリで回避して、そのまま反撃へと繋げることが可能です。
さらに、『Bloodborne』特有のリゲインシステム(攻撃を受けても一定時間内に反撃すると失ったHPを取り戻せる仕組み)と非常に相性が良いです。
要素 | 効果 |
---|---|
無敵時間 | 敵の攻撃を紙一重で避けられる |
リゲインシステム | 攻撃直後の反撃でHPを回復できる |
相乗効果 | 攻めながら回復するプレイスタイルが成立する |
攻め重視のゲームデザインに与える役割
従来のRPGでは「守り」が安全策になることが多いですが、『Bloodborne』では逆に守りに徹すると不利になるよう設計されています。
ヤーナムステップは、その思想を支える重要な仕組みであり、敵に立ち向かうための積極性をプレイヤーに強制するデザインです。
結果として、プレイヤーは「ただ生き残る」のではなく、「獣を狩る狩人」としての役割を自然と体感できるのです。
この仕組みのおかげで、戦闘はよりダイナミックで刺激的なものとなり、プレイヤーに忘れがたい緊張感と没入感を与えます。
他シリーズとの違いから見るブラッドボーン独自の魅力
『Bloodborne』の魅力を語る上で欠かせないのが、他のフロム・ソフトウェア作品との違いです。
特に『DARK SOULS(ダークソウル)』シリーズと比較すると、戦闘のリズムやプレイヤー体験に大きな差があることが分かります。
ここでは「盾プレイ」と「攻め回避」という2つの視点から解説していきます。
ダクソの「盾プレイ」とブラボの「攻め回避」
ダークソウルでは盾による防御が重要な選択肢でした。
大盾を構えれば大ダメージも軽減できるため、守りながら少しずつ攻める「慎重な戦い」が基本になります。
一方、『Bloodborne』では盾がほとんど実用的ではないため、回避と攻撃を繰り返す「攻め回避」が基本戦術になります。
作品 | 主な戦闘スタイル | 特徴 |
---|---|---|
ダークソウル | 盾で防御+反撃 | 安全志向でじっくり戦う |
ブラッドボーン | ステップで回避+即反撃 | 積極的に攻める必要がある |
この違いこそが、プレイヤーに「狩人としての役割」を強く意識させ、ゲーム全体の没入感を高めています。
操作感の違いとプレイヤー体験の変化
ヤーナムステップは素早く切れ味のある動きなので、プレイヤーは自然とアグレッシブな立ち回りを選ぶようになります。
最初は戸惑うかもしれませんが、慣れると「自分自身が狩人になったような一体感」が生まれます。
これが『Bloodborne』の独自性であり、シリーズ経験者でも新鮮な体験を得られる大きな理由です。
ヤーナムステップが他のゲームに与えた影響
ヤーナムステップのインパクトは『Bloodborne』の中だけに留まりません。
その独特のスピード感とキレのある動きは、他の作品やプレイヤー文化にも影響を与えています。
ここからは、その広がりについて見ていきましょう。
サイレントヒルfや他ホラーゲームでの類似演出
2020年代以降のゲームでは、ヤーナムステップを彷彿とさせる高速ステップ回避がたびたび登場しています。
たとえば『サイレントヒル f』では、普通の女子高生キャラクターが異様に俊敏な回避動作を見せ、プレイヤーの間で「まるでブラッドボーンだ」と話題になりました。
こうした演出は、ホラー作品であっても戦闘や緊張感をスタイリッシュに見せる手法として影響を与えているのです。
ゲーマー文化における「代名詞化」
ヤーナムステップは単なるゲーム内アクションを超えて、ゲーマー文化に根付いた代名詞になりつつあります。
SNSや掲示板では、素早い回避行動を見かけると「ヤーナムステップだ」とネタにされることも少なくありません。
つまり、このシステムはブラッドボーンを象徴するアイコン的存在となっているのです。
こうした文化的影響もまた、ヤーナムステップがいかに強烈な印象を残したかを物語っています。
ヤーナムステップを使いこなすためのコツ
ヤーナムステップは『Bloodborne』を象徴する動きですが、慣れるまでに少しコツが必要です。
ここでは初心者がつまずきやすいポイントと、上級者が意識しているテクニックを紹介します。
初心者が陥りやすいミスと対策
初心者に多いのが、敵の攻撃を「早めに」避けようとしてしまうことです。
ヤーナムステップには発生直後の無敵時間があるため、タイミングを早めにずらすと攻撃を被弾してしまいます。
ポイントは敵の攻撃が当たる瞬間に合わせてステップを踏むこと。
また、連続でステップを出しすぎてスタミナを枯渇させるのも初心者あるあるです。
初心者の失敗例 | 改善策 |
---|---|
早すぎる回避で被弾 | 敵の攻撃が届く直前に入力 |
連打でスタミナ切れ | 最低限の回避に抑える |
攻撃より回避に意識が偏る | 回避後に必ず反撃を意識 |
上級者が意識するステップ活用テクニック
慣れてくると、ただ避けるだけではなく攻めのためのステップを意識できるようになります。
例えば、敵の背後に回り込むようにステップすれば、内臓攻撃のチャンスが生まれます。
また、銃パリィや溜め攻撃と組み合わせて「敵の動きを読む→体勢を崩す→大ダメージ」という流れを作り出せます。
上級者は単なる回避ではなく、戦闘のリズムをコントロールするためにステップを使っているのです。
まとめ|ヤーナムステップがプレイヤーに与える体験
ここまで紹介してきたように、ヤーナムステップは単なる回避モーションではありません。
それは『Bloodborne』の戦闘哲学を体現する重要なシステムであり、プレイヤーに大きな影響を与えます。
最後に、その意義を整理しておきましょう。
挑戦と成長を実感できるゲームデザイン
ヤーナムステップはプレイヤーに「攻め続ける勇気」を与えます。
最初は苦戦しても、回避と反撃のリズムを掴むにつれて、強敵を倒せるようになる。
この成長実感こそが『Bloodborne』の大きな魅力の一つです。
これからブラッドボーンを始める人へのメッセージ
もし「難しそう」と思って挑戦をためらっている方がいたら、ぜひヤーナムステップを意識してみてください。
最初は難しくても、慣れてくれば必ず自分が狩人になったような快感を味わえます。
『Bloodborne』は間違いなく挑戦する価値のある作品であり、その中心にあるのがこのステップです。
一歩踏み出せば、あなたにもきっと「ヤーナムの夜」が忘れられない体験になるはずです。